イギリスでは、どのような理由で軟水の場所や硬水の場所があるのか調べた結果、2つの理由がありそうなことが分かった。
・長い川のある場所では、水にミネラルが溶け出す時間が長い為、硬水になる。
・土壌にミネラル(主に炭酸カルシウム)が多い所ではミネラルが溶け出すため、硬水になる。
日本についても調べてみた。
都道府県 硬度ランキング
2021年の夏頃に「月曜から夜更かし」にて軟水硬水についての話をやったらしい。
「沖縄」「関東」「熊本」あたりが水の硬度が高い様だ。
日本の長い川と水の硬度の関係
河川名 | 英語表記 | 全長 km | 全長 mile | 流量 m³/s | 流域面積 km² | 河口・合流地 | |
1 | 信濃川 | Shinano River | 367 | 229 | 518 | 11,900 | 新潟県 |
2 | 利根川 | Tone River | 322 | 201 | 290 | 16,840 | 茨城県/千葉県 |
3 | 石狩川 | Ishikari River | 268 | 168 | 481 | 14,330 | 北海道 |
4 | 天塩川 | Teshio River | 256 | 160 | 234 | 5,590 | 北海道 |
5 | 北上川 | Kitakami River | 249 | 156 | 391 | 10,150 | 宮城県 |
6 | 阿武隈川 | Abukuma River | 239 | 149 | 117 | 5,390 | 宮城県 |
7 | 最上川 | Mogami River | 229 | 143 | 437 | 7,040 | 山形県 |
7 | 木曽川 | Kiso River | 229 | 143 | 169 | 5,275 | 三重県 |
9 | 天竜川 | Tenryu River | 213 | 133 | 135 | 5,050 | 静岡県 |
10 | 阿賀野川 | Agano River | 210 | 131 | 451 | 7,710 | 新潟県 |
長い川ベスト10位を表示した。
ベスト5位までを濃い青(川名太字)、それ以降を薄い青(川名細字)で表示した。
「上記地図」と「月曜から夜更かしの情報」が、ちぐはぐしている部分があるが、細かいことは気にしない。
うーん。
それほど相関があるようには思えない。
日本では川の勾配が急で、ミネラル分が溶け出す前に海に流れ出てしまう為、「軟水」が多いと言われているようだ。
じゃあ、勾配が急じゃない長い川は硬度が高くなるはず。
流量が少なく、ゆっくりと流れる川は硬度が高くなるはず。
「流量」と「流域面積」にも注目してみる。
「利根川」「阿武隈川」「天竜川」「木曽川」は、比較的流量が小さい。
「利根川」の周辺は硬度が高いけれども、全体として明確な相関は見受けられない。
川の長さはあまり関係ないのだろうか?
川がメチャクチャ短そうな沖縄が、硬度ランキング1位だしね。
「沖縄」「熊本」「関東」の水の硬度が高い理由
ネット上の、怪しい情報中心では、本質を掴むことは出来なかったが、調べたことをまとめる。
日本に帰ったら、しっかりと調べ直したい。
「沖縄」 の水の硬度が高い理由
日本の全表土の3分の1(平地の大部分)は火成岩土壌でできていますので、カルシウムが少なく水はほとんどが軟水となります。
https://www.city.naha.okinawa.jp/water/pax/suishitsukanri/suishitsuqa.html
沖縄本島は、中・南部の地域が石灰岩層から形成されていますので、その影響を受けた井戸水や地下水は硬水になり、硬度が高くなっています。
沖縄の土壌は「炭酸カルシウム」が多い為、水の硬度が高い。
わかりやすくてよろしい。
「熊本」 の水の硬度が高い理由
熊本市の水道水は、100%地下水で賄っています。
https://www.kumamoto-waterworks.jp/waterworks_article/1183/
・地下水は、雨水などが地下に浸透し、流れていく間に自然にろ過されきれいになります
・地中の炭酸ガスやミネラル分が適度に溶け込みおいしい水となります
・水源の水温が、年間を通じほぼ一定で、夏は冷たく、冬はあたたかく感じます
熊本市の水道水は、厚生省(現:厚生労働省)の「おいしい水」研究会において全国第3位に選ばれるほどのおいしい水です。
地下水は、一般的に硬度が高くなりやすい。
なんとなく直観でわかるよね。
水の流れもゆっくりな感じがするし、鉱石と触れ合う表面積が大きそうな感じもする。
一般的には、硬度は低い方が美味しいとされているが、硬度が高い(ミネラル分が適度に溶け込み)事を、「おいしい水」と言っている。
まあ、味の感覚は人それぞれだもんね。
とりあえず硬度が高いと直接は言っていないものの、認めてはいる感じが出ている。
「関東」 の水の硬度が高い理由
明確な理由がわからない。
「高度の高い利根川の水を使っている」のはわかるが、利根川の水の硬度が高い理由が不明。
「関東ロームがある為、硬度が高い」という説明も、いまいち要領が掴めていない。
千葉様の例
水質には「硬水」と「軟水」があるけど千葉県営水道の水道水はどっち?
https://www.pref.chiba.lg.jp/suidou/keikaku/oishii2/mame/mame02.html
水のおいしさを左右する要素のひとつに、「硬度」というものがあるんだよ。
千葉県営水道の「水道水」は、硬度が80mg/L程度だから、中程度の「軟水」に分類されるよ。
「軟水」は、くせがなく素材のうまみを引き出しやすいので、
緑茶に適しているといわれているよ。日本国内の水は「軟水」が多いんだ。
日本の硬度ランキング第二位は「軟水だから美味しい」みたいなことを言い出した。
定義上はそうかもしれないけど、、、不当表示防止法に引っ掛かるのでは?
あくまで「千葉の水=軟水」「軟水=お茶に適している」という二つの事実を並べただけであり、「千葉の水=お茶に適している」とは言っていない。
埼玉様の例
“水の硬度”ってなんだろう
https://www.city.saitama.jp/001/006/002/047/001/p053210_d/fil/P4-P5.pdf
水1000ml(1L)の中に溶けているミネラル分(カルシウムとマグネシウム)の量を表した数値のことを、水の「硬度」といいます。
硬度120mg/L未満を「軟水」、120mg/L以上を「硬水」と呼んでいます。
さいたま市の水道水は硬度70度程度。飲みやすく、使いやすい軟水です。
おいしいだしがとれます!
和食の基本は、かつお節や昆布でとる「だし」。
軟水のほうが旨み成分である「グルタミン酸」や「イノシン酸」が溶け出しやすく、おいしいだしをとることができます。
また、軟水のほうが野菜に浸透しやすいため、野菜の煮物も柔らかく仕上げることができるのです。
ミネラル分が多い硬水のミネラルウォーターの場合、だしの旨み成分であるアミノ酸とミネラルが結合し、「あく」になってしまいます。
日本の硬度ランキング第三位は、もはや「埼玉の水=軟水だから美味しい」と言っている。
しかも、ちゃっかりと「硬水」をディスっている。
コメント